ロゴデザインを制作する動機と効果とは?

ロゴコラム, ロゴまめ知識/2017.06.07

通常、何らかのデザイン制作を依頼する場合、媒体に応じて目的がハッキリしている事が多いと思います。
例えばチラシであれば「集客して売り上げを上げたい」、看板であれば「認知、認識されたい」など。
しかし、ロゴデザインの場合はその意義や効果があまり把握されていない事もあり、「ロゴって作って何か意味あるの?」と質問される場面もしばしばありました。
そこで今回は、これまでにロゴ制作時に伺ったヒアリング内容やアンケートから、お客様がどんな目的で、何を期待して作成する事を望まれたかを振り返ってみました。

1.会社のイメージアップ

企業のロゴであればかなりの割合を占めるのが、「ロゴマークを制作する事で自社のイメージを良くしたい」という動機です。
これまではロゴを持っていなかったが、作成する事で信頼感を出したい…というタイプのご依頼。
例えば名刺などでも白の名刺に黒の文字を印字しているだけ…などのパターンが多く、こういった場合にはロゴを作り名刺や封筒など各ツールに使用していくだけでかなり印象が変わります。
どんなイメージを相手に感じて欲しいのか?自社の魅力や特徴、歴史や将来のヴィジョンなどをデザイナーとよく話し、それに適したロゴを制作・使用する事で、説明しなくても感覚的に自社の事を訴求する手助けとなります。
また、自社について視覚的にアピールする事によって結果的に他社との差別化や独自のブランドイメージの確立に繋がります。
これまで名刺を交換しても他の会社と有象無象で終わってしまっていたのが、相手に対して心象を良くしたり印象に残ったり…という効果もあります。
ロゴを使用した名刺イメージの変化

2.会社やお店の認知

これも1.と同じく非常に多い動機です。
会社やお店を象徴するシンボルとなるロゴを作成する事で、自社の事を覚えて頂く。認知して頂く。
この場合は、分かりやすいモチーフを使用してロゴにすると効果的な事が多く、例えばイニシャルや事業内容に関連する具体的なアイテムなど。
それにより、ロゴと社名が結びつきやすくなり、覚えて頂くことができます。
以前、電気工事業を営まれている会社からロゴ制作のご依頼を承った事がありました。
完成したロゴを刺繍したユニフォームを着用して取引先に出向くうちに、
それまでは「電気屋さん」「工事業者さん」というような呼ばれ方をしていたのが、
「◯◯社さん」と社名や個人名で呼んで頂けるようになったそうです。
イニシャルを使用したロゴを使用していく事で、「あのMのマーク=◯◯社さん」というように
取引先に自然と覚えて頂く事が出来、信頼が強まったとの事でした。
また、店舗の場合、例えばカフェであればコーヒーカップ、歯医者であれば歯といった分かりやすいモチーフを使用したロゴを看板に使う事で、
移動している人たちからも一瞬で何のお店か判別されるようになります。
ただし、必ずしも全てのケースにおいて分かりやすいモチーフである必要はありません。
抽象的なデザインの場合は、「親しみやすい」「安心感」「重厚感」「堅実さ」などのような、
感覚的なワードをテーマとする事で、企業やお店がどんなイメージなのかの認知に繋がります。
また逆に、特定のモチーフではないデザインにする事は、今後事業を他業種にも展開した場合などにもそのまま使用できるというメリットがあります。

ロゴによる認知力アップの例

3.求職者や若い人に対する正しいイメージの訴求

これは近年増えてきた動機です。
特に、運送業や建設業と言った業種のお客様からのロゴ制作のご依頼の場合、この動機の割合が非常に高くなってまいりました。
運送業や建設業、工事業は一般的に「しんどい」「大変」といった印象が強い事もあり、新入社員の獲得に苦労するそうです。
その結果、会社全体のスタッフの平均年齢も上がり、若い人への技術の継承や育成が出来ないという悩みが多いようです。
名称(社名)も「〇〇組」「◯◯工業」と言ったものが多く、どうしてもイカついイメージや怖い印象を感じられてしまう…とのご相談を過去多く頂きました。
実際には必ずしもいわゆるブラックな企業体質であるわけではなく、職場環境などしっかり考えて若い人も長く働いて頂けるように尽力されていたりするのですが、それがなかなか求職者に伝わらない…
という際に、ロゴデザインを始めとした視覚的イメージの確立によって、企業姿勢などを正しく伝える事が可能となります。
ロゴによる訴求イメージの変化

4.統一したイメージの訴求

名刺など、自社・自店舗で使用しているツールの色使いやフォントやテイストがバラバラなため統一したい…
という動機からのご相談もあります。
場合によっては特に理由なく複数のロゴマークを使い分けてしまっているケースもあり、却って自社イメージを定着させる事に苦労しているとの事でした。
このような場合も、ロゴデザインを新たに作成する(または統合する、ブラッシュアップする)事で全てのアイテムの視覚的な表現の指針となり、ブレずに自らのイメージをアピールする事が可能になります。
ロゴによる統一イメージアピールの例

5.社内の団結を強めたい

例えばスポーツチーム等が想像しやすいかと思いますが、象徴となるマークやエンブレムを作成する事で、結束が強まったりチームの一員としての誇り、愛着が湧くという効果があります。
これは企業や店舗でも同じ事で、ロゴを作成するという経験は、自社の事をより深く理解し考えるきっかけとなります。
どんな歴史を辿ってきたのか?
社名に込められた想いは?
他社との違いは?
自分たちはこれからどうあるべきか?
制作過程において自分達と向き合い考え悩んだ末に生み出されるものであり、結果、そのロゴが入った名刺や社章などを使用する事に強い思い入れが生まれます。
対外的なイメージをどうするか、という観点からの動機が多い中で、実はこのように社内に対する意義を見出してご依頼されるお客様もおられます。

以上、ロゴデザイン作成を決意するに至る動機や理由を、これまでお客様からお伺いした中からいくつかピックアップしてみました。
まだ上記以外にも様々な理由と効果がありますので、またの機会に続きを書きたいと思います。

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